粉色の祖母石:
桜の花びらが石英の皺に落ち込み、粉の霧のような波紋に固まった
どの文様も未開封の恋心を隠し持っており、少女が河灯に
あいまいな願いを書き留めているよう。優しいバラ色の光輪
深夜に浮かび上がり、古い傷を癒す蜜のよう
指先が結晶に触れる時、氷の下で
初めての融けた雪の耳语が聞こえる
白い祖母石:
月光が晶々に編みなす茧で、包まれて
慌てず純粋な心。乳白色の綿毛状のものは
雲の胎児のように、静寂の中でゆっくりと成長
首筋のあたりに身に着けるのに適しており、澄んだエネルギーを
脊髄に沿って枝を伸ばし、頭頂部で開く
半透明の鈴蘭
緑のアセ
森林がクレーターで再び芽吹き、エメラルド色の雷光
晶体内に凍りついた秘の小道。これは大地が初めて癒したときの脈動です
棱面を一度回すごとに、古代の苔の胞子が
精神の隙間で目覚めます。癒しの者は掌を結晶に寄せて
蝴蝶が pupa の殻を突き破るのを見ることで、自分の影も
年月の錆びを褪せて
白い幽霊:
山頂に雪が石英の中で永遠に舞い、霧状の包摂体
それは神の息吹が詩行に成ったもの。装着者は真夜中に夢を見る
溶けた氷が小川となり、積もった悲しみはすべて霧となって消えていく
太陽の下で四十五度傾けた結晶が、雲の後ろにあるあの汚染されぬ
純白の街を見ることができる
無垢な白い都市
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